個人事業主が法人カードを作るメリット・デメリット

1. はじめに:個人事業主でも法人カードは作れる?

「法人カード」と聞くと、会社経営者しか持てないというイメージがありますが、実は個人事業主(フリーランス)でも発行可能な法人カードが存在します。

法人カードを作ることで、経費管理の効率化・キャッシュフローの改善など、さまざまなメリットがあります。しかし、個人カードと比べた際のデメリットも存在するため、慎重に選ぶ必要があります。

本記事では、個人事業主が法人カードを作るメリット・デメリットを詳しく解説します。


2. 個人事業主が法人カードを作るメリット

① 経費管理が楽になる

法人カードを使えば、事業用の支出を一括管理できるため、確定申告時の経費計算が大幅に楽になります。

メリット

  • ビジネス経費と個人の支出を明確に分けられる
  • クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード)と連携可能
  • 領収書の整理が不要になり、確定申告がスムーズに

② キャッシュフローが改善する

法人カードには支払いサイト(支払日までの猶予期間)が長いものが多いため、資金繰りを安定させることが可能です。

メリット

  • 例えば「翌月末払い」の法人カードなら、約60日間の支払い猶予が得られる
  • 急な経費発生時にも資金繰りをスムーズにできる
  • 銀行振込よりも手続きが簡単で、支払いの手間が削減

③ クレジットカードのポイントやマイルが貯まる

法人カードでもポイントやマイルを貯めることができるため、経費支払いで還元を受けられます。

メリット

  • 広告費・仕入れ・サーバー代などの支払いでもポイントが貯まる
  • 貯まったポイントをAmazonギフト券・航空券・ホテル宿泊に利用可能
  • マイル還元率の高いカードなら、特典航空券で旅行も可能

④ 法人口座と紐付けられる

個人カードを使っていると、

  • 事業用の銀行口座とカードの紐付けができない
  • 経費精算の際に振込処理が面倒になる

法人カードなら、法人口座と直結できるため、経費精算がよりスムーズになります。


⑤ ビジネス向け特典が充実している

法人カードには、ビジネス向けの優待サービスや保険が付帯しているものが多くあります。

代表的な法人カード特典

  • 空港ラウンジ無料利用(出張・旅行向け)
  • ビジネスサポートサービス(会計ソフト割引・秘書代行など)
  • 海外・国内旅行保険が充実

3. 個人事業主が法人カードを作るデメリット

① 申し込み審査が厳しい場合がある

法人カードは一般的な個人カードに比べて、審査がやや厳しくなる傾向があります。

注意点

  • 開業間もない個人事業主だと審査に通りにくいケースも
  • 決算書・確定申告書の提出を求められることがある

💡 解決策:開業1年以上経過し、一定の売上がある状態で申し込むのがおすすめ。


② 年会費がかかる場合が多い

法人カードは、年会費無料のものが少なく、有料カードが多いのが特徴です。

例:法人カードの年会費

カード名年会費
三井住友ビジネスオーナーズカード無料
楽天ビジネスカード2,200円(税込)
アメックス・ビジネス・ゴールド36,300円(税込)
JCB法人カード1,375円(税込)~

💡 解決策

  • 年会費無料の法人カードを選ぶ(例:三井住友ビジネスオーナーズカード)
  • 年会費分のポイント還元や特典を活用する

③ 使えない支払い先がある

法人カードは、

  • 個人向けサービス(Netflix・Spotifyなど)の支払いに使えないことがある
  • 特定のオンライン決済で制限があることがある

💡 解決策

  • 個人カードと法人カードを併用し、使い分ける
  • ビジネス用の支払いにのみ法人カードを利用する

4. まとめ:個人事業主が法人カードを持つべきか?

📌 法人カードを作るべき人
経費管理をラクにしたい人
キャッシュフローを改善したい人
ポイント・マイルを貯めたい人
ビジネス特典を活用したい人

📌 法人カードを作らなくてもいい人
売上が少なく、年会費の負担が大きい人
個人カードで十分な支払い管理ができる人

個人事業主でも法人カードを活用すれば、確定申告がラクになり、キャッシュフローも改善できます。ビジネスの成長に合わせて、適切な法人カードを選びましょう!